“夏の入り口”のような胸キュンソング♪

 2013年12月公開の映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」全国オーディションにて、5000人の中から審査員の満場一致でヒロイン・小枝理子役に選ばれた逸材“大原櫻子”!映画と共に、劇中バンドの“MUSH&Co.”として歌った「明日も」や、「ちっぽけな愛のうた」が大人気に!歌ネットでは、歌詞アクセスランキングの上位にカノ嘘ソングが現在もなおランクイン中。2014年11月、ソロ名義でデビューを果たしました!

 そんな大原櫻子が、7月22日に3rd Single「真夏の太陽」をリリース!タイトル曲は、まさに今の時期に聴きたい強力サマーチューンです♪ 新曲の聴きどころはもちろん、デビュー当時の心境や、かなり“負けず嫌い”だという彼女のこれからへの意気込みなど、たっぷりお伺いしました!  
真夏の太陽 作詞:亀田誠治 / 作曲:亀田誠治
おはようの太陽がまぶしくて 今すぐ君に会いたくなったよ
正しい言葉は見つからないけど 夏色の空が僕らを待っているよ
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INTERVIEW
「“見てろよ…!”って思ってます」

大原櫻子さんといえばやはり、映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」ですね!少し前に地上波でも初めて放送されましたが、ご覧になりましたか?

大原:はい!ようやく客観的に観ることができるようになりました。デビュー当時は、自分が画面に映っているというのが衝撃的すぎて、何回観ても“小枝理子”の時の自分が重なってしまうし、演じながら感じていたことが全部フラッシュバックされるんですよ。だから今までは作品そのものに集中できませんでした。でもやっと自分のお芝居に対して「うわぁ…!」とか思えるようになりましたね(笑)。

「カノ嘘」当時、普通の女子高生から一躍スターに輝いたことで、戸惑いや不安はありませんでしたか?

大原:う〜ん…。この仕事をしているからというより、誰もが一番悩む10代の時期と重なっていたのもあって、「このまま夢の方向に進んでいいんだろうか…。もっと自分を良くするためにはどうしたらいいのか…」とかは考えました。今でも同じようなことで悩んでいるようなところもありますし、それは私だけじゃなく、周りもみんな一緒だなと思います。

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多くの人に知られるきっかけになったのは“小枝理子役”としての楽曲でしたが、昨年ソロデビューしてから、どんどん“大原櫻子”としての音楽が伝わっていきましたよね。

大原:そうですね。映画に登場するバンドの“MUSH&Co.”としてメンバー3人で地方を回っている時には、「マッシュちゃん!」とか「理子ちゃん!」って呼ばれることが多くて、やっぱりみんな役で見てくれているんだなぁと思っていました。でも、大原櫻子としてのソロデビュー作「サンキュー。」をリリースした時のライブで、1人の女の子が「マッシュ!」という呼びかけをしてくれたら、別の子が「マッシュじゃないよ!」って言ったのが聞こえたんです。そこで初めて「あ、もう私を役としては見てないんだ!」と実感しましたね。“大原櫻子”としての音楽を聴いてくれてるんだなぁと。

櫻子さんは小さい頃から歌手を目指していたのですか?

大原:歌手になろうと思ったことはなかったんですよ!ずっと女優になりたくて。でも歌は大好きで、子どもの頃から英語の曲だったり演歌だったりいろんなジャンルの曲を聴いていました。一番最初に買ったCDが、ミュージカル「アニー」のものだったと思います。まず、アメリカの映画の方を観て衝撃を受けて、それからミュージカルのCDも買いました。「アニー」は女優を目指そうと思ったきっかけの作品でもあるんですけど、「ハイド・アンド・シーク」っていう、ロバート・デ・ニーロさんとダコタ・ ファニングさんの出演している映画がありまして、その映画もお芝居を始める大きなきっかけになった作品です。

デビューしてから、今まで活動をしてきて「ここが自分の強みだ!」と思うのはどのような点ですか?

大原:とにかく負けず嫌いなところですね。いつもどこかしらで「見てろよ…!」って思ってます(笑)。それは誰かという具体的な対象もあれば、過去の自分や、今の自分に対しても、「見てなさいよ!私こんなもんじゃないんだから!」って。

では、逆にココはもう少し強化していきたいという部分は?

大原:い〜っぱいあります(笑)。優柔不断だし、自信がないので人の意見に惑わされやすいし、とても心配性です。だからもっと自分の芯を強く持ちたいなぁと思います。あれやったら怒られるかな?とか、これはダメかな?とか、ステージ上以外だとほとんど気にしていますねぇ。でもステージに立ったら、すべてから解放されるので、それが生きていて一番楽しい瞬間です!

たしかに櫻子さんのライブからは「歌うのが楽しくて仕方ない!」というのが伝わってきます。また、お客さん1人1人をすごくしっかり見つめて歌っているのが印象的です。

大原:はい、めちゃくちゃ見ますね!やっぱり1人1人に歌いたいし、観ている人からも、「自分に歌ってくれてる!」と思ってほしいし…。私、ドリカムさんに憧れていて、ああいうライブが出来たらいいなぁと思うんです。吉田美和さんは、会場を包み込むように歌うかたじゃないですか。歌詞ひとつひとつの伝え方が丁寧なので、スッと心に入ってきます。そういうアーティストになりたいですねぇ。

「すっごいドキドキした、思い出の花火…」

今回のニューシングル「真夏の太陽」は、レコーディングでどんなことを意識して歌いましたか?

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大原:今回の曲は恋の要素が入っているので、胸キュンポイントを大切に歌いました。あと“声”で言うと、サビの部分で裏声と地声がコロコロ変わっていく部分は聴きどころになってほしいなと。プロデューサーの亀田さんからは「とにかく楽しんで歌ってほしい」っていうのと、「高音を丁寧に優しい感じで」というアドバイスをもらいました。

作詞作曲も亀田誠治さんが手がけていますが、初めてこの曲を聴いた時の印象はいかがでしたか?

大原:すごく弾けた元気な感じもあるんですけど、そこに優しさもあるような…。あと、だんだん夏に向かいながら楽しくなっていく“夏の入り口”みたいな歌だなぁと思いました。

歌詞の中でとくに好きなフレーズを教えてください。

大原:一番最初のフレーズが大好きなんです!<おはようの太陽がまぶしくて 今すぐ君に会いたくなったよ>ってところ。可愛らしくて、その絵も頭に浮かんできます。あとは<君と僕のブルーが交わって溶けるよ>というフレーズも、すごく素敵な表現ですよね。

亀田さんはどうしてこんなに女の子が共感できる胸キュンフレーズが書けるのでしょうかねぇ…!櫻子さんの実体験なども取り入れられているのですか?

大原:それがちょっと不思議なんですけど、別に亀田さんに何か言ったわけではなく、亀田さんの中から出てきたものが私の境遇や心情と合致するという感じなんです。亀田さんとは日頃からよく会話をしているので、直接的に歌詞の制作には関係ないけど、亀田さんがそういうささいな雑談から私の考えていることを読み取ってくれてるのかなぁと思います。どのフレーズも、自分がすごく共感できるからこそ、歌でちゃんと伝えたいですね。

ちなみに、ご自身の“真夏の恋愛エピソード”はありますか?

大原:残念ながら胸キュンネタがなさすぎて、逆に欲しいですよ(笑)。あ、でも中学時代くらいのエピソードなら!好きな男の子がいて、私の親友の女の子に「好きだなぁ〜」って話したら、その親友の彼氏と「4人で花火しようよ!」ってなったんです。その当日はもうすっごいドキドキしたし、思い出の花火でしたねぇ…。でも結局何にも出来なかったですけど(笑)。

そうだったんですか(笑) あんまり恋愛体質ではないですか?

大原:ガツガツ行けないんですよねぇ。本当にアプローチが下手で、待ちます。「はぁ〜好きなんだけどなぁ〜」ってモジモジしていることが多いです(笑)。

また、歌詞の中に「今年の夏は短い?長い?スゴク短い???」というフレーズがありますが、新曲リリースやドラマ(月9「恋仲」)の撮影などもあり、櫻子さんは怒涛の夏になりそうですね!

大原:もう絶対短いです(笑)。でも、今ドラマの収録がめちゃくちゃ楽しいんですよ!やっぱりお芝居の現場はいいですねぇ〜。いろんな人とコミュニケーションがとれますし、そこから人脈がどんどん広がっていくのが好きです。今回のドラマ共演者の福士蒼汰さんは、本当のお兄ちゃんみたいに優しいですし、本田翼さんは、包み込むオーラのある方で、ずっと見守ってもらっている感覚になります。

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芸能界で仲がよい方も増えてきたのではないですか?

大原:そうですね。ドラマの現場じゃなく、番組がきっかけだったんですけど、ももクロのしおりん(玉井詩織)とは、ご飯も食べに行きますし、仲イイです。あと「カノ嘘」で共演した佐藤健さんはすごく偶然が多いんですよ!一度も会おうって会ったことはないんですけど、まず2回、仕事場でバッタリ会って、その後プライベートでもコンビニから出てきた健さんにまた遭遇して、お互い「え、嘘でしょ!?」って。健さん日本に何人いるんだろうって思いました(笑)。

「女優は勉学、歌手はアスリート」

女優と歌手、2つのお仕事の共通点を挙げるとすると何でしょうか。

大原:女優と歌手はほとんどがイコールですね!ただ、歌は5分でも1分でも表現できるけど、お芝居は「物語」が主役なのでより“時間”が必要だと思います。伝える時間ももちろんですし、伝える前段階の、セリフを覚えたり役を作ったりする時間も必要になってくるので、使うエネルギーが全然違いますね。女優の仕事は、勉学に近いですが、歌手はどちらかというとアスリートっぽいです。

今作「真夏の太陽」のようなキラキラ明るい曲のイメージが強い一方で、前作の1stアルバムに収録されていた「ワンダフル・ワールド」のような大人っぽい曲もまた魅力的で、歌のふり幅に驚かされます。今後はどんな歌を歌ってみたいですか?

大原:「ワンダフル・ワールド」もそうだったんですけど、毒の効いた歌にもっと挑戦していきたいです。最近インタビューで、「どんな役をやりたいですか?」って聞かれた時に「悪役をやってみたい」と答えたんですけど、同じように歌でも“人間の本音”みたいなものを歌ってみたいなぁと思います。歌手としてもいろんな表情が出せるようになりたいですね。

この人に歌を書いてほしい、と思う方はいますか?

大原:すっごい贅沢ですけど、槇原敬之さんと椎名林檎さんかな…。とくに、石川さゆりさんが林檎さん提供曲の「暗夜の心中立て」を歌っていたのを聴いて、もうメロメロでした。かっこいいなぁ〜と思って。ああいうの書いてほしいなぁ、大好きです。

以前、インタビューで「シンガーソングライターになりたいわけではない」とおっしゃっていったのを拝読したのですが、今もやはり歌に徹しようという気持ちのほうが強いですか?

大原:そうですねぇ…。こうして喋ることに関しても、まだボキャブラリーが少ないですし、そこはまだ模索中ですけど、いずれ自分の言葉で伝えなきゃいけない日は来るし、人としてもっと成長するためにも言葉を増やしていかなきゃいけないとは思います。だから、自分で作詞作曲をしたいという夢はないですが、機会があったらやりたいし、ちゃんとしたものが出来るようになったら書いていきたいなというのはありますね。

歌詞が魅力的なアーティストというと、どなたが思い浮かびますか?

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大原:back numberさん、ONE OK ROCKさん。女性だったらCharaさんかなぁ。もうCharaさんはとにかく表現力が豊かですし、今時言う“カワイイ”じゃなくて、芸術的な可愛さというか、グロテスクなところも含めて人間らしいなと思うんです。すごく捻った言葉をエグりだしての純粋さを表現してるなって毎回曲を聴くたびに思います。

普段、どんなところから言葉の刺激をうけますか?

大原:本、音楽、あとは友達との会話ですね!たまに、友達がポロッという言葉がすごく刺さって、良いこと言うなぁ…って思うような時ってありますよね。

身近な人の言葉って大きいですよね。最近、一番印象的だった言葉というと?

大原:この間、ある番組に知り合いのダンサーが出ていたんです。そこでその人が言っていたのが「毎日毎日この仕事を辞めたくなる。だから続けることができる」って言葉だったんです。「好きだから嫌いになれるし、好きだからツラい。そうじゃなかったら今の私はない」って。深いなぁ、かっこいいなぁ、と思いましたし、すごく共感できる部分もありました。私は毎日「辞めたい」「ツライ」と思うわけではないし、「幸せ!」と感じることもたくさんあるんですけど、“好きだからこそ嫌いになれるんだ”って言葉には、心が明るくなりました。

では、櫻子さんはこれからどんなアーティストになっていきたいですか?

大原:まだまだ全然そういう風にはなれてないですけど、老若男女に届けられる音楽を作りたいですね。街中でおばあちゃんおじいちゃんに「あ、櫻子ちゃん!」って声をかけられたら、やっと“有名になった”と思えます(笑)。

7月22日にはシングルと同時に、「CHERRYYYY BLOSSOOOOM!!!」のライブDVDもリリースされましたね!

大原:このツアーでは、エレキやピアノにも挑戦して新しい大原櫻子を出せたなぁと思います。今年の秋にも全国ツアーが決定しているので、また違ったカタチで新しさを魅せたいです!

最後に、歌ネットを見ている方にメッセージをお願いします。

大原:私は音楽で人に惹きつけられることが多く、「この人好きだなぁ」と感じるのはほとんど“歌詞”からです。だから、大原櫻子の歌そのものも聴いて欲しいですが、もし私が今後歌詞を書く機会があったら、是非それも見てほしいなぁと思います!やっぱり“これから”だと思うので、宜しくお願いします!

(photos by 竹中圭樹)