自身初のベストアルバム、
タイトルは『アンコール』…!

そんな新曲「ハッピーエンド」も収録されているベストアルバムですが、まずこの『アンコール』というタイトルが素敵ですねぇ。

おぉ、ありがとうございます!もちろん今までの曲を全てベストに入れられるわけじゃないので、選曲されなかったものにもちゃんと光が当たるようなタイトルがいいなぁと思って、みんなで探していて。そんななかでこの『アンコール』という言葉なら、今までのシングルとかアルバムの楽曲が本編であって、その上でこの2枚組のCDがアンコールだ、という意味を持たせられるんじゃないかなぁと。で、これで興味を持ってもらえたら、昔の本編を聴いてもらってもいいし、新曲とかライブとかで次のback numberを楽しみにしてほしいなという思いもあります。

(photo by 佐藤祐介)

あと、やっぱりわかりやすい言葉でありたかった。じゃないと結局"ベスト"って言われちゃうんで(笑)。まぁ大半の人はそう呼ぶと思うんですけど、わかりやすい名前がくっついていれば『アンコール』って呼んでくれる人も出てくるかなぁって。とくにback numberを聴いてくれる人たちは本当に、言葉の意味を大事にしてくれる人たちなので。歌詞とかも自分のことのように大切にしてくれるし。だからそこは俺たちが投げやりになっちゃダメだなと思って、最後まで考え抜きましたね。

依与吏さんは『アンコール』についてのコメントで「日本語が分かる人全員に聴いてほしいです」とおっしゃっていましたよね。その意味がやっとわかりました。back numberの歌詞で"英語"を使ったものってないんですね!

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そうなんです。なんか英語って意味が3つ4つあったりするじゃないですか。でも主人公の気持ちを細かいところまで正しく描くためには、意味をいくつも持ってほしくないというか…。俺は曲の中に、その人が生きていて、血が通っていないと嫌なので、最初から最後まで主人公が怒らないような歌詞を書きたいんですよね。「ハッピーエンド」のカップリング「君の恋人になったら」では、カタカナで<アイラビュー>とか言っているんですけど、あれは主人公の軽薄さとか、真っ直ぐさとか、ちょっとなめている感じにちょうどよかったもんで(笑)。そういう言葉があったときには使うと思いますけど、まぁ日本人が聴いてパッとわからないようなものはなるべくこれからも使わないと思います。

依与吏さんの中で、“英語を使わないこと”の他にも歌詞についての自分ルールみたいなものってありますか?

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あ〜それこそ今の"主人公に血が通うまで"ということですね。なんか俺の歌詞って、途中まで「なんだこの歌詞、誰が書いたんだ?」って感じなんですよ。でも、悩んで悩んで、たとえば1番と2番のAメロとBメロをひっくり返してみたり、そういう工夫で急に血が通ったりするんです。ブワーッと。一気に曲のなかの主人公の全身の血管に血が流れる感覚というか、その人が生まれる瞬間というか。いつ頃からなんだろうこんな感覚を持ったのは…。でも自然とこうなっていったんですよね。だから血が通うまで書き続ける、頑張る、諦めない。

本当に、back numberの楽曲にはいろんな主人公が生きていますが、その人たちは依与吏さんの分身のような感覚なのでしょうか。それとも全くの別人をイメージしているのでしょうか。

(photo by 佐藤祐介)
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自分ではないとは思うんですけど、完全に自分でないとは言い切れないというか。半々ですかねぇ、難しいところです。最初は全く俺とは違う人間を描こうと思って作っていくんですよ。でもそのうち「あ〜わかるわそれ〜!」ってなって、「そうか、俺が書いているんだった!」みたいなことによくなるんです(笑)。まぁいろんな主人公がいるつもりではあるんですけど、大まかに分けると何種類かの人しか出てこない気もするしなぁ…。だからなるべく数えないようにしています(笑)。

そして、『アンコール』には全32曲が収録されていますが、その95%くらいがラブソングですね!

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一時期ラブソングばっかり書いているのはダセぇかなぁとか思ったりもしたんですけど、「ハッピーエンド」のシングルを作るときに"とにかく今やりたいことをやろう"とワーッて書いたら、3曲とも恋愛の歌になっちゃって(笑)。あ、じゃあもう、好きなんだなって思ったんです。それならウダウダ言っても仕方ねぇかぁって。"これを聴いてもらわないとback number始まらないでしょ"とか"これを聴いてもらえれば俺らがやってきたことも、これからやりたいこともわかるでしょ"という気持ちで選んだベストアルバムの曲たちがこれなんだから、back numberってそういう奴らなんですよ。

ここまで徹底的にラブソングを極めているバンドって、とても貴重だと思います。

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バンドでこんなにエゴイスティックなのもねぇ。だから結構、先輩方から「ソロでやるならまだしも、バンドだと他のメンバーもいるじゃん」みたいなことを言われるんですよ。「自分の恋愛を歌った曲ってすごい恥ずかしくない?」って(笑)。まぁ俺としては、自分のことというか、いち主人公のことなんですけど、そういえば歌詞の上でメンバー二人の存在を考えたことがなかったなぁと気づいて。ちょっとねぇ…今さらですけど、ゴメンって思いました。

歌詞についてメンバーのお二人は何か感想を言ってくれたりするんですか?

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今までずっと何も言わない感じだったので、もう歌詞を書き終わったら、バーッてグループLINEに送っています!否が応でも"いいね!"っていうスタンプぐらいは押させるように(笑)。だってなんかイヤじゃないですか!?「依与吏が書きたいことを書けばいい」みたいな感じ〜。あいつらだって50歩100歩な恋愛しかしてないんですよ、それなのにインタビューで「いや、俺はこういう歌詞のことはわからないんで」とか言われたらふざけんなぁ!ってなるからぁ、もう"了承を得ているぞ"という既成事実を作っています(笑)。おかげで最近は送った歌詞にちょっとリアクションが来るようになりましたね。

<ベストアルバム「アンコール」清水依与吏公式コメント>
バンドを始めて、曲を作って、ライブをして、CDを出す。これまで僕ら自身、色んなback numberと出会ってきました。自分達なりに思う、らしさ、らしくなさ。そこに大きくとらわれない為に、back numberのまま新しい自分達になる為に、このベストアルバムはすごく重要だと思っています。 これを聴いてもらえばどんなバンドか分かる、のと同時に、どんなバンドでありたいか、という基準で選曲しました。日本語が分かる人全員に聴いてほしいです。


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