夏影

蝉の声 ラジオ体操 潜り抜け 自転車を 漕いだあの日
ポケットの中 小銭 忍ばせ 引っ越した 君に 会いに行く

僕らの夏は太陽が焼き付ける その一瞬の輝きで 過ぎてゆき
「きっといつだって 君に会える」と 夕焼けが告げてくる
サヨナラを受け入れた

幾つもの季節を藻掻き泳いで 僕は少しずつ大人に変わっていった
取り戻せない日々 あれが最後だったと
判っても 今も 夏残る 青春の想い出を胸に

変わらずにいること 変わってくこと
それぞれの夏を抱きしめ生きている
大丈夫だよ 心配はないよ
あの夕暮れ時は 今でも優しく
暖かく僕らを包む

朝焼けを待つ 時間が長くなる 夕立ちはもう アスファルト冷やす事も無く
僕らもまた 次の季節を迎える 秋がほら 実りある明日へと導くように

想い出はいつでも 陰だけが薄れて
日に日に素晴らしい 記憶に変わっていくから
僕が描く夢も その名残に寄り添っていて
巡り巡ってまた会えるからと 偽りな手を振る サヨナラ、、、。

走り出せなくても 立ち止まっても
それぞれのペースで 僕らは生きている
大丈夫だよ 僕はここで歌うよ
あの日の太陽は変わらず輝き
何時でも僕らを照らす

変わらずにいること 変わってくこと
それぞれの夏を抱きしめ生きていく
たとえ離れてても 忘れはしないだろう
あの夕暮れ時は 今でも優しく暖かく僕らを繋ぐ
明日になればそう晴れるから
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