桃太郎侍の歌

ほのぼのと ほのぼのと
冷たい浮世に 灯をともす
一人の男
たくましい 後姿に
どこのお方と 尋ねたら
俺の名前は 桃太郎
ほほえむ瞳が 涼しく光る

ほのぼのと ほのぼのと
明けゆく 枯葉の街道を
一人の男
眉あげて 笠をかざして
どこへゆくかと 尋ねたら
俺は地獄の 鬼退治
ほほえむ瞳に 朝日が赫い

ほのぼのと ほのぼのと
女の胸に 灯をともす
一人の男
知らされた 花の命を
連れて行ってと 追いかけりゃ
雲の切れ間の 満月が
ほほえむ瞳を 照らしてくれた
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