おんなの望郷歌

夢は辛(から)いし お酒は苦(にが)い
ましてあんたを 偲ぶ夜は
隣りの椅子が 淋しいよ
ハァー 泣いてみたってナァー
ハァー 帰れないのさ 赤い爪
酔うほどせつない この胸に
ひと節こぼれる 故里(くに)の唄

ハァー はるか彼方は
相馬の空かョ

きっとあんたも 酒場の隅で
ひとり飲んでる 頃だろう
寒さに背中 まるくして
ハァー 夢とあんたをナァー
ハァー かけた秤(はかり)に 泣いている
最終列車が 遠去かる
夜更けの酒場は 雨ん中

ハァー こぶしきかせてナァー
ハァー 唄う故郷の 新相馬
淋しくなるたび 想い出す
あんたの心が ふる里よ
×