ひぐらしの坂

ひぐらしの坂 縁取り並ぶ
頭(こうべ)を垂れる 向日葵

幼い頃に 見た夏雲が
母を心に 連れてくる

痩せた気がする くせのある文字
「元気ですか」のひとこと

心配ばかり かける返事は
風がふたつに畳む

不器用過ぎる生き方
時々 叱ってくれますか

どれだけ長い歳月(とき)が流れようと
いつまでもほどけない絆がある
泣きたくて 泣けるのは
その胸のなかだけです

逢わせたい人 いつかできたら
すぐに教える約束

母を倣(なら)って 紡(つむ)ぐ幸せ
ずっと見ていて欲しい

ことばにならない気持ち
少しは わかってくれますか

どれだけ遥か遠く離れようと
なによりも大切な絆がある
目を閉じてたどるのは
その胸の音だけです

どれだけ長い歳月(とき)が流れようと
いつまでもほどけない絆がある
泣きたくて 泣けるのは
その胸のなかだけです
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