嵯峨野路ふたり

迷子のすずめの 竹やぶに
春の光を どなたがくれた
他人(ひと)もうらやむ 幸せよりも
情一輪(なさけいちりん) 咲かせたい
京都嵯峨野路 あなたのあとを
ついてゆきます ふたり連れ

目覚めて甘えた 手枕は
心やすらぐ 日なたの匂い
胸にしまった 傷あとさえも
笑顔ひとつで 包む人
京都嵯峨野路 川面の宿で
契り交わして ふたり連れ

遠くの空から 鐘の音(こえ)
なぜか涙が あふれてくるの
いつかどこかで あきらめかけた
夢を紡(つむ)いで くれた人
京都嵯峨野路 お地蔵さまに
両手あわせて ふたり連れ
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