まん丸の蒼い月

時代(とき)を一緒に駆け抜けた
友を静かに見送った
いずれまた逢う時が来るから
決して言うまい別れの言葉など

じっと見つめる節くれたこの手に
君の最後の温もりが残る

確かに 何かに いつも叫んでた
やり場のない怒り声にして
傷つき 燃え尽き それが青春と
時代の隙間で 疑いもしなかった

迷い続けた若い日に
戸惑いながら探してた
枯れた心の その捨て場所に
やっとここに辿り着いたんだね

ゆっくり眠れ 人生という旅の
重い荷物を肩から降ろして

これから 一人で もう少し生きて
君の夢の行方を探すよ
今まで あれほど 君が憧れた
かけがえの無い 幸せっていうやつを

小さく かすかに 消えてゆく君の
うしろ姿に手を振れば泣けた
泣くだけ 泣いて 見上げた空には
あの日友と見た まん丸の蒼い月
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