ジャムチ ―砂漠の駅―

月の背で 揺れる旅人
何度あの 高原の上を
東へ進んだことだろう
星がつぶやく

翠の絨毯を敷いた
風のベールがひらめいた

砂漠の駅 日射の古都
野原の城 地平の雲は遥か低く

ホータンまで ジャムチを越え
ゆっくりと 時を泳いで
大きな時代がめぐる

渇いた砂風が舞う
五色のシルクを纏い
めざすのは夢の都
かすかに 遠雷が鳴る

砂漠の駅 日射の古都
野原の城 地平の雲は遥か低く

途の涯て 未知の街
どんなふうに 心の不安を
抑えこんで 旅をしたのだろう

遠い昔に
遠い昔に
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