待宵草(まつよいぐさ)

あゝつれづれに頬杖ついて
あなたの名前 呟いてみる
いつもおどけて返事をしては
淋しい私 笑わせたっけ
憶えていますか 楽しかった頃を
待宵草は もう忘れましたか
帰るはずないあなたを待って
また一日が流れて消える

あゝつれづれに千代紙折る
姫人形は私に似てる
あなたが遊びあきたら捨てた
あの泣き顔にそっくりでしょう

憶えていますか やさしかった日々を
待宵草は もう忘れましたか
うす紅のくちびる寄せた
想い出だけが流れて消える

あゝつれづれに古いラジオの
桜便りを聞いては泣いた
春が来たって何になるでしょう
恋しい人が戻らないのに
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