どうしても好きだった

知らずに積もったホコリのようね 不安は
払いのけようとするたび高く 舞い上がる
部屋に残った電話のテープ 埋めつくした声は
まきもどすたび すりきれていく はずむような 呼びすて

どうしても好きだった 朝も昼も夜も
あなたしか会いたくなくて あなたしか見えなくて
疲れても好きだった あのすごい気持ちは
たかがサヨナラですべてを こわされやしない

二人でそろえた椅子やオブジェや 鉢植え
あなたを迎えるためにできてた 部屋の中
息苦しさをふやしてただけ 思い出を見わたす
不公平だな 捨てる勇気は私一人なんて

どうしても好きだった 夏も冬もみんな
二度とない どこにもいない 二人が連れてゆくの?
なにもかも好きだった あの強い気持ちは
たかがサヨナラですべてを こわされやしない

苦しくても やさしくなれたあの日
ダメになってく予感より ただ早く 愛したかった

どうしても好きだった 朝も昼も夜も
あなたしか会いたくなくて あなたしか見えなくて
疲れても好きだった あのすごい気持ちは
たかがサヨナラですべてを こわされやしない
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