太陽の誘惑

背中に爪を立てたまま
まぶしい 光のその中で
濡れた体ごと抱き合えば
過ぎてゆく二人の夏

海と車とおまえだけに流れすぎていた
あの頃の 写真の色も褪せはじめて
傷も今は消えかけて

狂っていた何かが太陽の
鮮やかすぎた誘惑にさそわれ

すべてが白く輝いて
美し過ぎた何もかもが
昨日も今日もみんな消えて
苦い明日が残った

狂っていた何かが太陽の
鮮やかすぎた誘惑にさそわれ

キラキラ光る瞳のまま
死んでしまえばヒーローになれる
そんな気にさせたのは
痛い程の夏の光

若いというそれだけで 許されてた頃
残酷で美しい季節

若いというそれだけで 許されてた頃
残酷で美しい季節
×