虚無の華

微風(そよかぜ) 随(まにま)に散る華は
美しく甘美な幻想(ゆめ)
憂き世に赦されざる
虚無を抱いて

誰も辿り着くことの無い
暗闇には何も映らない
じわり 染みてゆく絶望も
千の毒に紛れ 嗚呼

儚き希望に縋る瞳に
告げられた苦い拒絶
心を殺したなら
楽になれる?

誰も分かりある事の無い
孤独(くらやみ)から全て見ていたの
弱き命の爆ぜる華を
硝子玉に刻むだけ

誰も辿り着くことの無い
虚無(くらやみ)ならとうに受け入れた
せめて 愛しきその刃が
朱き華を散らす 否
錆びて朽つまで
全て…見ている
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