はぐれ泣き

風もしばれる 吹雪の夜に
暖簾(のれん)しまって 一人酒
はぐれ泣きする 浜千鳥
いくら消しても まぶたに浮かぶ
あんたにあんたに 逢いたいよ

ひとり尋(たず)ねて はまなす港
いつか根づいた 北の町
遠く一声(ひとこえ) 哭(な)く霧笛
船が着く度 噂を乗せて
行く人来る人 泊まる人

たぐり寄せたい 心の糸も
凍りつくよな 冬の海
濡れた翼の 浜千鳥
どこにいるのか 未練でしょうか
涙に涙に くもる月
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