とびら

ひとつだけ ひとつだけ願いが叶うなら
古惚けたアルバムのように思い出が
どうか色樋せないでと 強く願った

友に会い 共に歩き 過ごしたこの町
明日の朝私はここから旅立つ
始まりはいつだって一人でした

幼い頃はいつも道草ばかりしてたのに
あの頃に比べて私は臆病になってた

夕暮れが町を赤く染めて
影踏み帰る私たちは 今日の終わりを知るのでした
それは綺麗で哀しい色

泣きたくて 逃げたくて そんな過去でさえ
いつの日か大切な思い出に変わる
今はただそう信じて目を閉じた

出会いの数だけ別れがあるからこそきっと
人は人を想い 優しくなれるのでしょう

どこまでも続く坂道を
上りきったらどんな景色が そこにあるのか分からないけど
確かめながら私は歩く

茜色の空へ続く 渡り鳥の群れ
意味もなく散らぱって 何処へ行くの?何を探して

夕暮れが町を赤く染めて
影踏み帰る私たちは 今日の終わりを知るのでした
夕日がそっと背中を押すから

また会うための約束をしよう
それを「さようなら」と人は呼ぶのでしょう
だからもう私は振り向かずに 明日へ続く扉を叩く
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