リメンバー

夏の終わりが近付いて ヒグラシが鳴く畦道を
裸足のままで駆けてゆく あの頃の僕がいました
みんなと「じゃあね」した後で 俯き歩く帰り道
本当は全部わかってた だけど「ただいま…」って呟いた
キッチンにはママがいて ガレージの奥にパパがいて
そんなありふれた幸せ ずっと夢見ていたの

だけど僕は一人ぼっちだったんだ
呼んでみても返事はなかったんだ

そして大人になった僕は 君に 全てを求めてしまうの
母の温もり 父の優しさ
君は君でしかないのに
それでも君はただ黙って 抱きしめてくれるから
なんだかね 満たされるんだ
いつかまた巡り巡る夏
リメンバー

今は繋いだ君の手を 離さないように歩いてこう
夏草揺れる帰り道 平凡過ぎる世界が

どうか明日も途切れないように
それが僕のささやかな祈り

だけど子供のままでいたい僕は あの日と同じ空の下
瞳を閉じてみた 耳を澄ませた
風や木々の囁きが
あの頃確かに聞こえたんだ でもどんなに願っても
今はもう何も聞こえない
「それでいい」と 君は隣で笑う

萎(しお)れた向日葵 止まない蝉時雨
誰かが忘れた麦わら帽子
さよなら夏の日 手を振るあの子は
置き去りのままの幼い僕だ

そして大人になった僕は 君に 全てを求めてしまうの
母の温もり 父の優しさ
君は君でしかないのに
その腕の中で包まれ眠る時 なぜだろう?
懐かしくて また蘇る遠い夏
リメンバー

君がいれば…

夏は終わってしまうけど
僕らの明日は続いてく
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