少年の墓

波は岸辺に寄せ 貝殻を拾う君は
けがれを知らぬ あの頃の
遠くを見る様な 瞳のままで

大人になった 夢を追い続けながら
私は目を伏せ 自分の影に目を落とした

影は細く淡く 悲しく震えて見えた
それはまるで親を失くした 少年の墓のようだ

君は夢を語れ 私の分まで語れ
夢に命をかけるなら
他のすべてを すててまで

臆病者の これがせめてもの言葉だ
私は目を伏せ 自分の影に目を落とした

影は細く淡く 悲しく震えて見えた
それはかなわぬ道に倒れた 少年の墓のようだ

君は海に向え 私は岸辺に立って
遠く思いを焦がすばかりの 少年の墓になろう……
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