北冬挽歌

風の竜飛に 夕日が落ちて
あんた恋しと ゴメが哭く
墨絵ぼかしの 津軽の海は
やがて漁り火 船がゆく
ハァ~ 沖が時化たらョー
ハァ~ 火照った 躰が せつないよ
あんたと唄った あいや節
寝床に響いて ひとり泣く ひとり泣く

せめてあんたの 飲む酒だけは
肌で温めて やりたいさ
のぼり列車の 呼ぶ声聞けば
飛んで行きたい 雪の中
ハァ~ おんな盛りにゃョー
ハァ~ ひと冬 我慢が 侘しいよ
あんたが出かせぎ 行ったあと
私のこころは 冬の海 冬の海

ハァ~ 離ればなれはョー
ハァ~ 今年で終りに しておくれ
雪解け季節を 夢にみて
あんたの枕と 添い寝する 添い寝する
×