男と女

何かが変わる 夏も過ぎた海は
あの日のざわめきも 嘘のように夕凪のまま
いくつもの愛を呑みこみ
あんなに美しく煌めいて
私は変わる旅に出る前に
愛の亡骸を捨てにきたの

男と女が繰り返すドラマを演じてきた
下手な女優みたいに
終われば 唯の女

陽にやけた肌 ワイシャツでかくし
夕陽に染まる唇を重ね 確かめあった
一瞬の愛に気付かず 傷ついたあの夏の5日間
愛の嵐が過ぎた秋の海は 幕を忘れた夜の舞台

寄せては遠ざかる永遠のドラマも
二通りの終わり方しかないことを
砂と波は知らない

男と女が繰り返すドラマも
二通りの終わり方しかないことを
知っているはずなのに
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