父への遺言

御無沙汰でした あれから一年
二人の子供達も 元気でいます
夏が来るたび 小さくなった
貴方の後姿は 元気でしょうか

私は時々 あなたと旅した
遠い昔を想い出します
大きな背中を追いかけながら
貴方は強いと感じていました

電話もせずに 手紙も出さず
心配ばかりでしょうが 許して下さい
散歩がてらの 信号待ちで
老人が一人寂しそうに立って居ました

貴方は時々 私と旅した
遠い昔を 想うでしょうか
残り少ない 日々の暮らしで
貴方はなにを感じていますか

風が出てきた 丘の上から
横に座った 息子と二人
力の限りに 心の花を
貴方に向かって 投げてみました
×