大文字

惚れた女の 情念に
たとえこの身が 焼かれて燃えて
灰になっても 悔いはない
生きて添えない ふたりのように
夜空を焦がす 山の火は
盆の送り火… 大文字

いつか別れる 運命でも
せめてふたりで いるときだけは
俺の気持ちは 夫婦だよ
固く結んだ 心と心
想いを込めて 灯篭を
水に流した… 夜の川

罪に背いた 仲だけど
忍ぶ女の せつない胸を
かくすお前が いとおしい
京の夜空を 火の粉のように
ふたりの愛の 精霊が
燃えて舞い散る… 大文字
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