ある日の午後

古びた本棚のすみに
落ちていた写真
まだ君が若かった頃の
少しだけ 大人びて
はにかんだ その笑顔が
まぶしく照り映える

忘れていたはずの日々が
木立を通りぬけ
青い夏空にたちのぼる
吹きよせる 熱い風
よみがえる あの街並
愛した人々

何もないあの頃 少し疲れていたけど
君の瞳にはいつも僕がいた

黄昏が静かに
部屋の中にすべり降りる
夕日が君を染めあげてゆく
くれのこる 青春の
やせた影 かべに伸びて
背中をみせている

何もないあの頃 少し疲れていたけど
君の瞳にはいつも僕がいた
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