想春賦

初めて出会った時のことで今でもハッキリ覚えてる
遠くの時計台眠そうに時を打つ昼下がり
あなたは春風に髪をまかせながら
しみとおるような笑顔で僕を見てた
これからの幸わせな日々を約束するかのように

暮らし始めの二人にとって苦しみや貧しさなど
身を寄せ合えばぬくもりの中笑いながら溶け落ち
たちこめる幸わせの香りあなたの遙かな優しさ
それに甘えて僕は夢ばかり追いかけた
さきのことも振り返ることも過ぎゆく時さえ忘れて

共に歩むことは出来ず
待つには大人になりすぎて
あなたの寂しい笑顔が夏の陽ざしにグルグル回り
静かに秋は広がると想い出だけがふるえていた

初めて出会った時のように一人で石をけっています
背をまるめコートの衿立て白い息吐きながら
めぐりくる春よお前がいつもと同じように
真綿のような陽ざしと希望や喜び運ぶなら
あの遠い日の夢と輝きが
紡ぎ青空に舞いあがらせた
二人の春の歌を歌うだろう
ラーララーララランラララランラー
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