卒業

都会で流行りの 手編みのセーターを
編んではほどき 乱れる心
渡した時の 貴方のとまどいを
感じながらも 思い焦がして

一度きりでも 抱かれてみたいと
思い続けて 日々は流れゆく

春 花吹雪の舞う中で 貴方を見ていた
夏 汗に光る貴方の姿を 遠くから見つめてた

届かぬ思い 制服の胸に
校舎の陰で 誰かを待てば
夕陽が教える 貴方の影に
言葉も出せず 涙あふれた

せめてもう少し 綺麗になりたい
自分の為に 綺麗になりたい

秋 後夜祭のあかりに 貴方がゆれていた
冬 木枯らし吹く中で 貴方の部屋のあかりを見ていた

春 花吹雪の中を 貴方が消えてゆくわ
青春がいつも 美しいものだと誰にも言わせない
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