おとな~交響組曲「シェヘラザード」より~

あなたの 寝顔には
やすらぎと幸せが ただよい
眠れない私は なぜ泣くのでしょうか
愛されて 愛した
とおい日は もう返らないのよ
思い出す 闇にかくれて
くちづけした おさない恋
おそすぎた 出会いなのよ
まだ 愛してるけど

お酒には 弱くて
けんかに強い 若者でした
教えてよ二人は どうしたのでしょうか
取り替えた 時計を
あなたは腕に まだつけている
いけないわ 私たちには
もう大人の ルールがある
Tシャツは 今も白く
よみがえる 思い出

夏の日は 日暮れまで
波のりを してたわね
太陽に 焦がされて
待っていた 私
雪のふる クリスマス
マント着て 歩いたわ
あの頃は 十五だわ
うたかたの 夢ね

初めての ダンスの日は
お相手は あなた
首すじの ほくろまで
数えてた あなた
耳もとで 愛を
ささやいてくれた あなた

陽に灼けた 寝顔は
すべてのことを 忘れさせるわ
目ざめたら私は どうなるのでしょうか
辛いけど 二人は
ほほえみながら 手をとるのでしょう
また会おうなんて 言えない
女だもの 待つだけだわ
若いけど 私たちも
いつか 年をとるわ

おやすみなさい いい夢をみて
おやすみ あなた
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