雨の夜と淋しい午後は

忘れられない ひとがいる
青春のきらめきの彼方に
その人は 季節はずれの薔薇のように
今も鮮やかに密やかに咲いてる

たとえば あゝ 雨の中を濡れて歩いた
そのひとの泣き顔の ストップモーション
おそらく あゝ 一杯のスープ分け合うような
ささやかなぬくもり 求め合う恋だった

別れの理由を思い出せない
あれ程 熱い恋も知らない
その人が 仮に僕を忘れても
あの恋を忘れることはないだろう

たとえば あゝ 雨の中で愛と憎しみが
激しく抱きあっていた ストップモーション
おそらく あゝ 傷つけ乍ら いたわりあった
哀しいくらい倖せな恋だった

忘れられない ひとがいる
青春のきらめきの彼方に
その人も どこかで僕のことを
ふと こんな風に思い出すだろうか

たとえば あゝ 雨の夜と淋しい午後は
甘く痛む恋の ストップモーション
おそらく あゝ 君という名の愛しい花は
僕の中で もう枯れることはない
あゝ 雨の夜と淋しい午後は
君という名の花が咲く季節(シーズン)
あゝ 雨の夜と淋しい午後は……
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