螢川

燃えたらダメよと さとすその裏で
この身焦(こ)がして あんたに惚れた
じれて愚図(ぐず)れば それっきり
そんなはかない 仲だけど……
雪見橋から 立山(たてやま)越えて
ホーホー螢 飛んでゆけ
私も飛びたい 螢川

女の身体(からだ)に 積もる根雪(ねゆき)さえ
熱い涙で とかしてくれた
ところ変れば 川の名も
人のさだめも 変るのね……
月に葉桜 舞う城下町
ホーホー螢 飛んでこい
逢いたい今夜は 螢川

たとえ一緒に なれずとも
そばにおいてね 心だけ……
ひとり待ちます 常願寺川(じょうがんじ)にて
ホーホー螢 飛んでこい
命火ともして 螢川
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