北の海唄

おなごはヤマセに 耐えながら
くずれ番屋で 綱を刺す
日暮れは無口で ばさら髪
子供背中に 飯を炊く
はァ ソーランの 海で鮭を捕る
はァ おとこ衆は いのちさらしてヨ

押されてひかれて 転がって
砂に埋もれた 定置綱
呑んだら踊った 万祝(まいわい)も
今じゃじさまの 語り草
はァ ソーランの海で鮭を捕る
はァ おとこ衆は いのちぶつけてヨ

おなごは口紅 ひきながら
浜で大漁の 船を待つ
しばれた両手に 息をかけ
冬も終りの 雪ん中
はァ ソーランの海で鮭を捕る
はァ おとこ衆は いのちしぼってヨ
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