置手紙

君はまだたくさんの
紙袋をかかえたままで
この手紙読んでいるだろう
これで最後の男の気まぐれとして
どこかそこらの窓からすててくれ
君となら一緒に暮らしたかった
二人でいつも立ち止まってしまう
あの赤いレンガの家で………
ルンルン ルルル………
今日の淋しさは風にごまかされて
いつまでも消えそうもない

ぼくのほんのひとことが
まだ二十前の君を
こんなに苦しめるなんて
だから行く先は
ぼくの友達に聞いてくれ
君に会わないで行くから
今頃はぼくもまた昔のように
どこかの町のカフェテラスで
ビールでも飲んでいるだろう
ルンルン ルルル………
君が帰る頃は夕暮れ時
部屋の明かりはつけたままで
×