時差~蒼空に25¢~

迎えに来てよ あなた そんな手紙を受け取ったのは 今日昼過ぎ
その頃 僕は別の町へ向けて 荷作りをしていたところ
都会へ行くと君が言い出した時 僕は言ったはずさ
憧れだけで生きてゆける町じゃないと分かってたはず
あゝ 君のことをようやく
あゝ 忘れかけたという時に
TIME LAG 君と僕に
TIME LAG 時差がある
君は北の町に居て 僕は南へゆく
今更といい乍ら 君の泣き顔思い出している

迎えに来てよ あなた たった一行だけの手紙を読み返す
上りの汽車は事故で遅れているというアナウンス
南へ向う列車は定刻どおり ホームに滑り込んで来る
ふと見れば僕の時計は 昼過ぎをさしたままで止まっていた
あゝ 何故か胸が高鳴る
あゝ 君の笑顔を思い出して
TIME LAG 僕の心に
TIME LAG 時差がある
今発車のベルが ホームに鳴り響く
TIME LAG 南へゆくか
TIME LAG 北へゆくか
君は北の町に居て 僕はここに居る
TIME LAG 銀色の
TIME LAG コインひとつ
指で強く弾いて 空へ投げ上げる
キラキラ廻り乍ら スローモーションで舞いおりてくる
迎えに来てよ あなた
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