約束

母の手にすがり乍ら 歩いたあの道を
いつか私も同じように 歩きたいと思ってた
思い出はセピア色に いつも坂の途中
大きな樟の枝の向こう 遠く海が見えた
時は音もなく降りつもる
悲しみもいつか解けてゆく
思いどおりには 生きられないけれど
一所懸命だったね
あなたの背中はいつも とてもあたたかだった
どんな時でも私を 信じてくれた

道ばたの名もない花 あなたに見えますか
ある時母は振り向いて 約束しようと云った
それぞれに人は誰も 自分の色で咲く
いつか必ず しあわせに咲くと約束してね
悲しみは棘に変わってく
甘えたら色は褪せてゆく
思いどおりには 生きられないけれど
一所懸命咲いてね
憶えています必ず 約束は守ります
あなたの分まで高く 笑顔で咲きます
あの人と二人きっと しあわせになります
あなたの分まで高く しあわせになります
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