お酒の味

来るか来ないか半々の
賭けにあずけたしのび逢い
そっとホテルの窓をあけ
山の音きく夜ふけ頃
……ひとり慣れない酒をのむ

きっと来るわといいきかせ
来ない時にも嘆くなと
胸をおさえてつぶやいて
過ぎる時間を見つめてる
……ひとりうつろに酒をのむ

冬が静かにしのび寄る
不意にみぞれの音がする
これではかない夢も消え
後は未練を捨てるだけ
……ひとりふるえて酒をのむ
×