恋しずく

傘を持つ手に しずくがひとつ
肩を濡らして またひとつ
しのび逢う夜の 雨の道
ふたりの明日は ないはずなのに
あなたについて 行けるなら
雨のしずくのひと粒に
あゝなりたいの

遠くかすんで 墨絵のような
町の灯りも 泣いている
雨の淋しさ 抱きしめて
別れる運命と諦めながら
愛した胸の 傷あとに
雨のしずくのひと粒が
あゝしみるのよ

頬にこぼれる 涙の粒を
指で拭えば いとしさが
恋のしずくに 変るのよ
小雨に打たれて さまようふたり
あなたについて 行けるなら
雨のしずくのひと粒に
あゝなりたいの
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