桟橋

風にもつれて 海猫鳴けば
なぜか心は 冬になる
恋しさ六分に 憎さが三分
あとの一分で また待ちわびる
あなた私を 包んでよ
今日も桟橋 波ばかり

逢いに来ないで 夢ならいいの
覚めりゃ涙の 種になる
爪先立てても みえない明日
あなた答えて 身の振り方を
船に罪など ないけれど
ひとり桟橋 立ち尽くす

船が行く度 又戻る度
波が未練の 文字になる
あなたといたなら 短いはずの
夜の長さに 心が痛む
汽笛ばかりが 鳴りやまず
日暮れ桟橋 雨まじり
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