酔月情話

信じていました 来て下さると
目元うるうる 川になる
どうぞ叱って その胸で
あなたを慕う 女のこころ
火のみち踏んでも 増すばかり
月も人恋う 酔月情話

お酒を含んで あなたに移す
裾に乱れる 緋(ひ)ぢりめん
肌をころがる 露の玉
あなたの指で はじかれましょう
この世の外へと つれてって
月も濡れます 酔月情話

ひと夜の嵐に 枕も沈む
こらえきれずに 漏れる息
そうよ百年 それ以上
あなたのそばで 過ごせることは
いとしさ余って 残る紅
月も恥らう 酔月情話
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