優しく包めたら…

人は誰しもがそう パンドラの箱あけて
泣きながら産まれる 今はまだ旅の途中 あなたも

乾いた喉を少し 潤したのなら もう
誰にも見せはしない 鎧(プライド)も 今 捨てて眠りましょう

この部屋は波打つ海の底 静かに溺れるあなたを
泡に変わって優しく包めたら…消えてもいいのです

夜明けまでの人魚姫でいい 夢に見た足跡が幻でも
その心まで包みこめたなら
不知火(しらぬい)の温もりが あなた照らしますように

折れた翼の鳥は 見守るだけの空に
羽ばたく時を待つ あなたもそう いつかまた飛び立つ

たわい無い言葉より 少しの静寂でいい
あなたの痛みなら そばにいる私にも下さい

この部屋は砂漠の草原 柔らかに横たわるあなたを
真綿のように優しく包めたら…風に吹かれます

夜明けまでは産まれたままの涙さえ この胸に流せばいい
その傷まで やがて癒えたなら 穏やかな小春日があなたに…

その心まで包みこめたなら
不知火(しらぬい)の温もりが あなたを照らしますように
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