ひとつ

風が運んだ春のはじまり
電車待つ人のあいだを ひゅらら
両手いっぱい 優しさの束
見送るみんなの笑顔が懐かしい
大切な友達も すれ違った 誰かさえ
いてくれたから

心ならひとつ 体ごとひとつ
わたしは泣き虫じゃない
悲しみがひとつ よろこびがひとつ
わたしはひとりじゃない

留守番電話に残る言葉は
あの日と同じ陽気な 「じゃあね」
いつも変わらず 愛してくれる
あなたの面影浮かべて ありがとう
近くに過ごしてたら 多分わからなかった愛
今は抱きしめ

心ならひとつ あなたごとひとつ
わたしは強い子じゃない
悲しみはひとつ よろこびはふたつ
わたしはひとりじゃない

青白い月がほら 太陽の背中を押して
あたらしい朝に

心ならひとつ あなたごとひとつ
わたしが貰ったもの
悲しみはいつも よろこびをくれる
わたしはひとりじゃない

わたしはひとりじゃない
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