高尾駅のベル

ねえ、君
行くの行かないの
今日もまた 引き返すんだ
二月の朝 白い息
下りのホームで麦を踏む
まだベルは鳴っている まだベルは鳴っている

ねえ、君
やっぱり言えないの
気持ち隠し 黙るんだ
真夏のホーム 蝉時雨
つめたいラムネも 汗をかく
まだベルは鳴っている まだベルは鳴っている

ねえ、君
どうしてそんなに
酔いつぶれてしまったの
秋の夜長も 明けてきた
ホームのそば屋もそろそろ開く頃
まだベルは鳴っている まだベルは鳴っている

ねえ、君
明日晴れたら
気まぐれな僕は旅立つ
君にだってできる簡単さ
いつもとは反対のホームへ
まだベルは鳴っている まだベルは鳴っている
まだベルは鳴っている まだベルは鳴っている
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