霧のグラス

別れたいなら 別れてあげる
よしてよ今更 いいわけなんか
あんたこの頃 優しすぎたわ
だからわたしは 感じていたの
哀しい破局が 近づくことを
その日が来たのね こんなに早く

あんただけはと 信じていたが
あんたもやっぱり おんなじ男
こころ変りを 責めはしないが
許せないのよ 今度の女(ひと)が
お店で張り合う あの娘だなんて
おんなの誇りが 悲しいだけよ

まさかふられて 乱れて泣いて
あんたを追うほど 初心(うぶ)ではないわ
背中合わせの 夢の写し絵
消してあげるわ うらみっこなしで
グラスをあけたら 左と右へ
さよなら他人の ふたりになるわ
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