ちりとり

だからと言って
僕は逃げていたわけじゃありません
すいません
嘘つきました、いま
あなただけ あなただけ
それだけなんです
多分僕はちょっと
多分僕はちょっと
多分 多分
ばか、なんです
やぁ
去年も1階から3階へ
夏の声をジャンプさせました
あなたには あなたには
届きもしません
多分僕はもっと
多分僕はもっと
ばかに ばかに
なれば
放課後僕と君
掃除当番同士少し喋りました
優しくしようとして先帰っていいよ
なんて言っちゃいました また僕は
ああ ばか
1、2、3
と数えました
1、2、3と
4、5、6と数えていたら
出てくる出てくるあなたの事ばかり
次々と次々とあなたの事ばかり
なんですかこれ
なんなんですかこれはー!
そう 街の灯をなぞって
さっき帰っちゃった君を追いかけました
最後にくれたあの一言と
最後にくれたあの微笑みが
足を加速させてゆく
掃除当番あなたとやれてよかったと思ってます
あなたの美しいちりとり捌きをみれただけでも
本当によかったと思ってます
しかしだ
あなたは僕の心までちりとっちゃったのです
それは完全に奥までちりとっちゃったのです
僕もあなたをちりとりたいのです
奥まで
奥まで
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