街灯

「もしもさ、明日全てが滅びるならどうしようか?」
夕日と歩きながら ふと君が問い掛ける
「いきなりどうしたの?」と おどけて笑ってみても
真面目なその横顔に 僕は少し立ち止まる

認め合いその時まで 二人生きれるのなら

迫り来る最期が どれほど暗くとも
街灯が一つ また一つ 灯される日常を願うだけ

「私は、美味しいものをお腹いっぱい食べたい」と
真面目なその横顔で 君はぽつりと零した

都合の良い事だけを 世界が望むのなら

遠くの国々が 戦い止まずとも
星が一つ また一つ 消えてしまわないよう願うだけ

夜が来るまでに 疲れてしまうまでに
伝えたい事が たとえ届かなくとも

手を振って「おやすみ、夢でまた逢いましょう」
そんな言葉を交わすだけで 僕は幸せだから
どこかの救世主が 何を救おうとも
君が一つ また一つ 笑顔になれるのなら
迫り来る最期が どれほど暗くとも
街灯が一つ また一つ 灯される日常を願うだけ
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