ストリートミュージシャン

足踏みしてとるリズム 掻き鳴らして擦り減るピック
両手にはにじむ汗 錆び付いたストリング
遠ざかってゆく西日 背中に感じながら放つ
僕らの歌声が 街に響き渡る

口には出せない無数の思いに
誰もが苦しめられて 矛先を探している

笑われて罵られても目を伏せて 忘れようとしてる自分が悔しくて
何を得られるとも知らず僕らは 気が付けば路上に立っていた

紙とペンを手放さずに ひらめいた途端に
まるでパズルを組むように 言葉を書きなぐった
五線譜なんか要らないんだ 綴られた思いの上に
コードをふるだけで メロディーは生まれた

ふと立ち止まるあなたの瞳から
落ちる涙の理由を僕らは知りたくなる

胸に秘めた辛い過去も 悲しみも 忘れられないままの自分が虚しくて
宛てがわれた部屋の外で僕らは 気が付けばギターを持っていた

笑われて罵られても目を開けて 仕返しのつもりで歌に変えてやるさ
胸に秘めた辛い過去も 悲しみも 拭い切れないのなら歌い飛ばすまでさ
異端者を拒む世界で僕らは
気が付けば路上に立っていた ギターを持っていた 歌をうたっていた
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