四の喫茶館物語

街灯の下グレーのコート、メランコリーを感じさせる君の形、映えるよ。

まだ伸ばしかけの黒髪と、いつも困ったような表情。
街の空気、変えてしまうようだ。

敷き詰めたメラミン、ざわめきが 吸収されるような壁に。
君はきっと、まどろんでいる。

「猫濾器角」で落ち合えたなら、店たちの数に飲まれよう。

―すべて隠す闇さえ捕らえない。
小さな電子の影が増幅されて、それの姿を映す。
スリットの側にいるよ。
二つもある答えが。

意味不明を口走っていると思われがちな、
その言動、顔色しか見せない僕は。

「雨漏れ路」が交わる場所で、店たちの夢も飲み込もう。

すべて見える眩いミラーボール、小さな二人の影を増幅してる。
君の姿が魅せる。
スリットもはためいてる。
一つに決めた声と。

逢えない夜の数、君を思って。
また。この店で暇潰す。

―すべて隠す闇さえ捕らえない。
小さな電子の影が増幅されて、君の姿を映す。
スリットの側にいるよ。
二つもある答えは、一つ。(粒子であり波である『光』)
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