水の地図

散りゆく桜に 涙ぐみ
薄(すすき)の風に 指を噛む
十七・八の 通り道
わたしはわたし 他人(ひと)は他人(ひと)
画(か)いては消して また画(か)き直し
…… 女の倖せ 水の地図

器(うつわ)を斜めに 傾げても
中身の水は 動かない
割り切りながら なぜ揺れる
故郷(ふるさと)遠く 母の顔
面影しみる 睫毛(まつげ)を濡らす
…… 女の倖せ 水の地図

心をいろどる 花蔭(はなかげ)を
こぼれ陽(び)拾い たどる道
春待草(はるまちぐさ)は いつか咲く
信じることが 生きること
明日(あした)に夢を ひそかにつなぐ
…… 女の倖せ 水の地図
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