ちょうど

何もかも 生まれたときに
知っていた 幸せのことも
何故か何故か 思い出せない
ちょうど夢のつづきを さがすように

ひどくなる 此頃それが
ぜいたくだと 人は言うけど
これから何を どこでどうしよう
ちょうど見知らぬ鍵を 拾ったように

ぼくはどこへ 連れられてゆくのだろう
あの人と 別れてしまうのか
鏡の中入れば おとぎ話さ
幸せはそんな風に つくり話さ

無人のバスに 乗り込んで
窓の外を ただみてるだけ
こんなに多くの 人がいるのに
こんなにどうして 孤独があるの

明日はやがて 今日になる
明後日もいつか 今日になる
でもあの人は 近づかない
ちょうど動く歩道を 逆に歩くように

果物が 腐ってゆくように
何もせず このままでじっとしたまま
誇りもないけど 負い目もない
ニュースを聞いても 言うこともない
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