この夜が明けてしまえば
やがて ただ君だけが足りない朝が
まるで映画を見る様な浅い感覚と共に
僕だけに訪れると言う

柔らかな部屋の明かりは
何もかもを分かったかの様に揺れている
少しだけ俯く様に小さく震える君に
何故か僕は見とれてしまった

時を止めて 君に近付いて
両手に触れて 目線に従って
強く引き寄せる

あの日の様に抱き締めても
君が遠くなるばかりで
通り過ぎる僕の香りでさえ
君にはもう届かないのか

時は流れて 僕は気付いて
でも言えなくて 言葉が溢れて
溜息の行き場を探す

君の声も 君の名前も
たとえ 穏やかなる日々が
訪れても忘れられないのだろう

僕は思い出に隠れて泣いた
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