雪の傘

涙の雨より 悲しいことは
あなたと歩く 傘がない
せめてしぐれが 小雪(ゆき)になるまで
そばにいさせて 引き止めて
抱いて下さい 夜明けに染まるまで
帰したくない 雪の傘

幸福(しあわせ)なのかと きかれるたびに
心がいつでも 痛くなる
めぐり逢うのが 遅いだけなら
何故にあしたを つれてくる
抱いて下さい 眠ってしまうまで
夢でより添う 雪の傘

あしたが雪なら 死ぬほど積もれ
あなたをこのまま 閉じこめて
少し飲ませて 泣かないように
胸のふるえが 止まらない
抱いて下さい この恋終るまで
冬に咲かせて 雪の傘
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