花月亭

日のあるうちから 噺家つれて
芸の肥(こ)やしにチントンシャン
船場(せんば)に背を向け 笑いに懸(か)けた
あゝ花月亭 伸(の)るか反(そ)るかの
あんたの勝負 引き受ける

この世の苦の種(たね) 涙の種を
みんな一手に引き受けて
笑いで転がす 人情車
あゝ花月亭 今じゃ連れ合い
この細腕に 縒(より)かける

芸の道 裏はしんどうても表は華やかに
見せんとあかんて よう云うたはりましたなァ
わかってますがな 景気よういきまっせ
あんた あんじょう見ててや

飯より芸事 好きやというた
憎みきれない人の夢
咲かせてあげます 浪花の空に
あゝ花月亭 掛ける暖簾は
商いごころ 誇りです。
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