哲学堂通り

木枠の窓がきしむのは 心の雨のせいなのか
今でも君が 駅前で時計を見上げ 待っていそうで
優しさじゃない 情けないだろ あの日の君も引きとめられずに
哲学堂通りから新井薬師まで 君の涙が流れています

呼び戻された 故郷からの手紙も途絶えた 二度目の春です

古いいわれの建物が 心に残る散歩道
教えてくれた サンシュユの黄色い花が 君に似ていて
面影さえも責めているだろ 二人の未来 約束できずに
哲学堂通りから新井薬師まで 君の溜息残っています
その店先でオレンジを見て 贅沢かしらと淋しく笑った

哲学堂通りから新井薬師まで 君の思い出 あふれています
止まない雨に濡れるしかない 手紙も途絶えた 二度目の春です
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