冬のサナトリウム

ほんの少しだけれど 陽が射し始めた
雪明り 誘蛾燈
誰が来るもんか 独人

荒野から山径へ 邂逅はまぼろし
弄びし夏もや 何が視えんたんだろか
抱擁て

十九歳十月 窓からたびだち
壁でサビエルも ベッドで千代紙も
涕泣いた
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